TeXLive 2016 自体はずっと以前にダウンロードしていたのだが、自前のフォント設定などの移行が大変そうなので、これまで使わずにいた。新旧2つのTeXシステムを共存できそうだったので、使い始めることにした。以下、備忘録。
ダウンロードしていたのは、MacTeX版ではなくオフィシャルのポータブル版。と言っても、USBメモリーにインストールする予定はないのだが。これを、$HOME/texlive2016portable
以下にインストールした。$HOME
は自分のルート。Macの場合、/Users/自分のアカウント
になっている。以下、作業内容。texlive2016portable までのパスをTLROOT と略記する。
- Pathの変更。
export PATH=/usr/texbin:$PATH
などとし、
/usr/texbin
は本当のパスへのシンボリック・リンクとする。
これを変更することで、複数のTeXシステムを使い分けることにした。TeXLive2016portableを使う場合。
ln -s TLROOT/bin/x86_64-darwin /usr/texbin
今までのuptetexを使う場合。
ln -s PathToOldTeXSystem/bin /usr/texbin
- TeXLiveのアップデート。
パスを通したあと、sudo tlmgr update --self --all
として最新版にアップデートする。500個くらいアップデートがあって、けっこう時間が掛かった。
- ヒラギノフォントへのシンボリック・リンクを作る。
Homebrewでgsは入れているのだが、リンクされているgsのバージョンが7.07と古かったので、texlive付属のスクリプトで自動的にリンクを作ることができなかった。手動でリンクをTLROOT/texmf-local/fonts/opentype/
以下に作成する。ファイルが認識できるようにsudo texhash
する。 - ヒラギノを埋め込むようにMapを設定。
以前は手動で行っていたが、今はスクリプトでできるようだ。便利だが、何が行われているのかが分からないのは不安な気もする。sudo kanji-config-updmap-sys hiragino-pron
で完了。ログを読むと、updmap-sys は
TLROOT/texmf-dist/web2c/updmap.cfg
とTLROOT/texmf-config/web2c/undmap.cfg
を読み込んで、TLROOT/texmf-config/web2c/updmap.cfg
に新たな設定を書き込んだらしい。もっとも、TLROOT/texmf-config/web2c/updmap.cfg
は今回新たに作成されているのだが。それを開くと、jaEmbed hiragino-pron jaVariant -04
の2行からなるファイルだった。
以上で、インストール作業は完了。ターミナルから試してみる。
ln -s TLROOT/bin/x86_64-darwin /usr/texbin
として、/usr/texbin
をTeXLiveのバイナリーに設定。which platex して確認。適当なファイルを作成して、platex sample.tex とすれば、sample.dvi が出来る。次いで、dvipdfmx sample.dvi とすれば sample.pdf が出来る。OKですね。
次の作業は、エディターから使えるようにすること。候補としては、TeXMaker, TeXstudio それから、Sublime Text 3 だが、それは後ほど。