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2005年05月15日

mathabxフォントのインストール

先日,yhmath のインストールに(最後のPSフォントの読み込みの部分で)失敗したのだが,いくら考えても理由が分からない。そこで他のフォントで実験することにした。手順が悪いのであれば,同じように失敗するはずである。

ところが井上氏のサイトには,yhmath 以外に数式関係のフォントのパッケージがあまりない。ということで,実用性も考えて,mathabx フォントのインストールを試みた。便利なパッケージがない分,手間がかかったが結局インストールに成功。うーん,やっぱりやるべきことは間違ってないと思うんだけどなあ・・・。

ということで,備忘録として,インストールの手順を記録しておく。

まず,mathabxフォントの配布サイトに行き,必要なファイルをダウンロードする。mathabx.zip にはMETAFONTのソースコード,abxtype1.zip にはmftraceを利用して生成されたType1 PS Font が入っている。これらを解凍してから,しかるべき場所に移動させる。

Mac OS X にインストールするには,基本的にはLinux用の設定と同じでよいはずだが,ディレクトリーの構成が (teTeX3.0だからなのか,井上氏のパッケージだからなのか不明だが)サイトに書いてあるものと若干違うようなので,適当に修正しながら作業した。

解凍すると,sourceというサブフォルダーができる。この中のメタフォントのソースを
/usr/local/share/texmf/fonts/source/public/mathabx
に移動させる。ファインダーからはここが見えないので,ターミナルを起動する。このディレクトリーが存在しないので,
sudo mkdir -m 777 /usr/local/share/texmf/fonts/source/public/mathabx
のようにして作る。メタフォントのソースがある場所に移動して,
sudo cp *.mf /usr/local/share/texmf/fonts/source/public/mathabx
と,今作ったばかりのディレクトリーにすべてをコピーする。次に,スタイル・ファイルなどを移動させる。texinputs というサブフォルダーに mathabx.tex, mathabx.sty, mathabx.dcl の3個のファイルがあるが,LaTeXで用いるのは,mathabx.sty とこれが呼び出している mathabx.dcl の2個。これらを
/usr/local/share/texmf/tex/latex/mathabx
にコピーする。サイトの解説には,mathabx.tex もここに移動させるように書いてあったが,そしてそれでも動くのかもしれないが,mathabx.tex は plain tex 用みたいだから,ここに置くよりも,
/usr/local/share/texmf/tex/plain
以下にmathabxなるフォルダーを作って,そこに移す方が良いと思う。その際,mathabx.texもmathabx.dclを呼び出しているので,この2つを移動することになる。うーん,mathabx.dclが2カ所にあるのは良くないか?シンボリック・リンクを張っておく方がよいかな?

とにかく,以上で LaTeXでコンパイルするための作業は終わり。あ,texhash あるいは mktexlsr をして追加したファイルが読めるようにしておこう。(ls-R を使っている場合)

次に abxtype1.zip を解凍すると,pfb と map の2つのサブフォルダーができる。pfb の中にあるのが,PostScript のフォント。これらを
/usr/local/share/texmf/fonts/type1/public/mathabx
にコピーする。map フォルダーの中の mathabx.map は,
/usr/local/share/texmf/fonts/map/dvips/mathabx
の中にコピーする。ここがサイトの解説を大きく違うところなのだが,他のmapファイルの配置から考えて,これが良かろうと思う。最後に,このmathabx.map を読み込ませるために,updmap.cfg というファイルの末尾に,Map mathabx.map という一行を追加する。ちなみに,この updmap.cfg は
/usr/local/share/texmf/web2c
にあった。

以上で準備完了。updmapコマンドを実行させる。あれ?エラーだ。mathabx.map が見つからない,だって。そうか,ここでも texhash が必要だったか・・・。texhash コマンドにつづいて updmap コマンドを実行させると,dvipdfm, dvips, などなどのconfiguration がアップデートされる。これで作業終了。

エディターで簡単な文書を作り実験する。\usepackage{mathabx} と書けば,このスタイルファイルが読み込まれる。コンパイルさせると,METAFONTが起動してフォントのmetric file を生成している。そうか・・・tfmもまだ無い状態だものね。しばらくするとtfmファイルも生成されて,dviファイルが作られる。そしてこれをpdfに変換・・・してくれるかな?どきどきしながらコンソールのログを見ていると,無事にpdfに変換されている。ビットマップでなくちゃんとType1で埋め込まれていることを確認する。ふ〜,やっと終わったよ〜。

さてさて,mathabx が無事にインストールされたということは,作業内容に間違いはない,ということだよね,多分。どうして,yhmath だと駄目なんだろうか?インストーラを使わず,上と同じ作業を手でやってみれば良いかも知れないが,今日はもう疲れた(笑)ので,また何時かに。

投稿者 sukarabe : 2005年05月15日 16:59

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