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2005年07月06日(水曜日)
微分積分学の基本定理 [ 数学 ]
微積の学習は,とかく計算技術に偏りやすい。意味を強調したいのだが,高校の教育がまずいせいか,一度染みついたものは,なかなか抜けないようだ。
どうしてこんなことを書いているのかというと,不定積分(原始関数)の計算で何故面積が求められるのか,という根本の所を理解していない学生があまりにも多いからだ。僕自身は,遠山啓「数学入門(上)(下)」とクーラント&ロビンズ「数学とは何か」で微積分を学んだので,幸いにもそのようなことはなかった。そんなことを考えながら,本棚から久し振りにクーラント&ロビンズを取り出してみた。
以下,449ページから引用。
ある種の教科書においては,名称の選び方がまずいため基本定理の際立った点が不明確になっている。多くの著者はまず導関数を導入し,次に ならばはの不定積分であるという言い方をして,「不定積分」をただ導関数の逆と定義している。そこで彼等の方法によると,微分は直接に「積分」という言葉と結びついている。後になって面積あるいは和の極限としての「定積分」の概念が導入されるが,「積分」という言葉が今度は全く異なったものを意味するということは強調されない。このようにして理論の主要な事柄が裏口からこっそり持ち込まれ,学生の正しい理解に達しようとする努力が著しく妨げられる。 であるような関数は「不定積分」ではなくての原始関数(primitive function)と呼んだ方がよい。そうすれば基本定理は単に次のようになる:
固定された下限と変化しうる上限を持つの積分はの原始関数の一つである。 (以下省略)
投稿者 sukarabe : 2005年07月06日 00:19
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コメント
微積分の基本定理をいろんな角度から見ると、面白いですよね。
例えば、微積分の基本定理は、ストークスの定理(1次元版)と見れるようになったのもつい最近です。
私も、今日、岩波数学辞典 第3版の
「積分法」
「積分論」
「測度論」
を、寝る前に読み直します。
投稿者 calc : 2005年07月06日 21:58
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