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2005年11月03日(木曜日)

ガウス和に向けた準備(1) [ 数学 ]

円周等分方程式がらみの計算は実際にやってみると,非常にきれいで楽しい。ただし,一般的に記述するには少々めんどうな部分もある。p=13に対する4項周期の計算を少しだけ。

原始根としてg=2をとる。するとg^k (0\leq k\leq 11) を列挙すると
1,2,4,\quad 8,3,6,\quad 12,11,9,\quad 5,10,7
となるから,3個の4項周期
\eta_0=\zeta^1+\zeta^8+\zeta^{12}+\zeta^5\\ \eta_1=\zeta^2+\zeta^3+\zeta^{11}+\zeta^{10}\\ \eta_2=\zeta^4+\zeta^6+\zeta^{9}+\zeta^7
ができる。一般論につながる見通しの良い計算のためには,この順番で並べることが大切。つまり,\left(\mathbb{Z}/p\right)^{\times}の巡回群としての構造がポイントとなる。

例えば,\eta_{0}^2の計算は次のようになる。分配法則を使って計算するのだが,その際,項の位置をサイクリックにずらすと見やすくなる。
\eta_0\cdot\eta_0=\zeta^1(\zeta^1+\zeta^8+\zeta^{12}+\zeta^5)\\
\hspace{40}+\zeta^8(\zeta^8+\zeta^{12}+\zeta^5+\zeta^1)\\
\hspace{40}+\zeta^{12}(\zeta^{12}+\zeta^5+\zeta^1+\zeta^8)\\
\hspace{40}+\zeta^5(\zeta^5+\zeta^1+\zeta^8+\zeta^{12})\\
\hspace{30}=\zeta^{2}+\zeta^{9}+\zeta^{13}+\zeta^{6}\\
\hspace{40}+\zeta^{3}+\zeta^{7}+\zeta^{13}+\zeta^{9}\\
\hspace{40}+\zeta^{11}+\zeta^{4}+\zeta^{13}+\zeta^{7}\\
\hspace{40}+\zeta^{10}+\zeta^{6}+\zeta^{13}+\zeta^{4}
こうして,縦の列ごとにまとめてみると,第1列の和は\eta_1となっている。同様に,第2列は\eta_2, 第3列は(\zeta^{13}=1なので)4,第4列は\eta_2である。よって,
\eta_0\cdot\eta_0=4+\eta_1+2\eta_2
となる。

同様にして,\eta_i\eta_k\eta_0, \eta_1, \eta_2で表すことができる。

投稿者 sukarabe : 2005年11月03日 09:59

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コメント

熟知しておられるのですね

http://b4.spline.tv/mynb/?message=94

投稿者 G : 2007年09月23日 13:16

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