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2007年05月06日(日曜日)

レムニスケートの有理パラメータ表示 [ 数学 ]

以前、Sa氏からレムニスケートって有理曲線なんだよね、と教わったことがある。へえ~と思ったのだが、パラメータ表示のやり方がこれまたへえ~なのだった。どうするのかと言うと、レムニスケート (x^2+y^2)^2=a^2 (x^2-y^2) に対して、原点で接する円束(Pencil of Circles) x^2+y^2=t(x-y) との交点を考えれば、tでパラメトライズできるというのだ。シャファレビッチの代数幾何の教科書に書いてあるよ、ということだったので、調べてみたところ、確かに Basic Algebraic Geometry の演習問題に載っていた。直線束でパラメトライズするのは常套手段なのだが、円束とは!と驚いた記憶がある。

その後、レムニスケートが双曲線の反転で得られるという、これまた意外な結果を誰かから教わったりしたのだが、そのときはこの二つの事実の関連性に気付かなかった。

先日、シャワーを浴びながらの髭剃り中にぼんやり考えていたら、あ!と気がついた。双曲線は無限遠点を通る直線束、つまり漸近線に平行な直線束によりパラメータ表示されるが、これを反転すれば、レムニスケートと円束になるではないか、と。反転は双有理変換であるから、有理性も保たれる。そうか、そうだったのか。ちょっと嬉しいのである(^_^)。

投稿者 sukarabe : 2007年05月06日 12:55

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コメント

 sukarabeさん。お久しぶり。EROICAです。
 久しぶりに数学の話ですね。私にはちょっと高度すぎましたが、sukarabeさんが喜んでる気持ちは分かります。
 ずっと気になっていながら、解決しようと本当には努力していなかったことが、ある時パッと分かると、すっごくうれしいものですよね。
 シャファレビッチには、演習問題にする程度の易しいことでも、普通に数学が出来る程度の人には、何年もかかって、あっそうだったのか!と、思うような難しいことだったりするのですよね。
 私も良くそういうことがあります。
 インドの数学のかけ算の話も、証明が明解で、分かりやすかったです。楽しませてもらいました。

投稿者 EROICA : 2007年05月07日 02:08

>EROICAさん

シャファレビッチの本に、この円を利用せよというヒントがついているのです。だから、有理曲線、つまり有理関数でパラメータできることは交点を求めれば直ちに分かるわけでして、解くのは容易なのでした。ノーヒントだとつらいでしょうが。そうなのですが、いったいどこからこの円を思いつくのだろうか?というのが疑問だったわけですね。それにしても久しぶりにスッキリしましたよ。たまには、こんなことでもないとね。

投稿者 sukarabe : 2007年05月07日 23:05

有理曲線と拝聴し スグ試した顛末
投稿日:2007年 5月 8日(火)17時46分8秒
  【Pencil of Circlesの採用で 早とちり】した 顛末
       等 等 を ご笑覧下さい ;
http://8518.teacup.com/mynb/bbs?BD=15&CH=5

投稿者 GB : 2007年05月08日 17:54

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