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2004年11月09日

二次方程式

曾野綾子から二次方程式を連想してしまうのは,さすがに数学屋さんだけだろうが(苦笑),なかなかやってくれているのであった。

その話を初めて知ったのは,雑誌「数学のたのしみ」に上野健爾(うえのけんじ)さんが書かれた記事だった。その冒頭を引用しよう。

教育課程審議会会長の三浦朱門氏は雑誌『週刊教育Pro』1997年4月1日号のインタビュー記事「『教育』今後の方向」の中で次のように発言している。教科のエゴをなくすために,たとえば数学では「曾野綾子のように『私は二次方程式もろくにできないけれども,65歳になる今日まで全然不自由しなかった』という」数学嫌いの委員を半数以上含めて数学の教科内容の厳選を行う必要があると。この発言から1年2ヶ月ほどたった今年(1998年)の6月に教課審の審議のまとめが出され,二次方程式の解の公式は中学数学から姿を消すことになった。

別に曾野綾子が二次方程式を追放せよと主張したわけでもないだろうし,だんなの三浦朱門にしてからが,どうせ文部省の役人にいいように使われていたに違いない。しかし,数学・数学教育の価値を実用面によってのみしか判断しようとしない姿勢に,数学関係者の怒り(?)は激しかったのだった。

今回,事実関係を調べようと思って少し検索してみた。「二次方程式」と「曾野綾子」をキーワードにしてGoogleで検索すると,いろいろ出てきて,なかなか楽しめる。それを読んでいたら,この先を書く意欲が萎えてきてしまった(笑)。

ということで,上野先生の上記の記事から,もうひとつだけ引用させていただいて,この項は終了。

ところで,私は53歳になる今日まで曾野綾子の文章も三浦朱門の文章も一行も読んだことはなく,そのことで生活に何の不便も感じたことはない。だからといって,それだけの理由で,彼らの文章を初等・中等教育の教科書に取り上げる必要がないと主張すれば暴言の誹りは免れない。初等・中等教育にふさわしい文章であるかないかは,教科書作成の際に判断すればよいことである。

投稿者 sukarabe : 2004年11月09日 15:08

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コメント

とんだ「知識人」だね(笑)。

そういえば円周率を3.14としてではなく3としか教えなくなったんでしょ?

人生の中で皆がゼロから学び始めるのではなく、先人が発見したものや確立したものを既知として、そこをスタート地点にして自分の人生の中でその先を積み上げていけるから、人類の進歩と発展があったんだよね。

そして、その先人の知恵を教える場所のひとつが義務教育じゃないのかなぁ。

って思うので、

知ってることをケチらず教えろよ~!
覚えられるか覚えられないかは受け手の自己責任だぜ!
二次方程式を教えてもらってよかった!という人生があることを勝手に否定するな!

と声を大にして言いたい、かも(ちょっと控えめ?笑)。

投稿者 kebaneco : 2004年11月11日 23:25

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