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2004年11月16日(火曜日)

p=x2+y2 [ 数学 ]

先日の「博士が愛した数式」がらみなのだが,p=x2+y2となる奇素数の必要十分条件が p≡1(mod 4) であることの簡単な証明を本屋で見つけた。というか,多分有名なんだろうし,本質的には既存の証明と変わりないとは思うが。

旭屋書店で数学書コーナーによってみたら,月刊誌「数学セミナー」がおいてあった。たしか以前は雑誌コーナーの方だったと思う。ひさしぶりにページをめくると,有名なんだけど案外証明をしらないもの(?)特集をやっていて,その中に平方数の和で書ける素数の話があったのだった。

ガウス整数(a+biの形の整数。ここでa, bは整数で,i は虚数単位)の枠内で考えると,この問題はガウス整数の素数を決定せよという,きわめて基本的な問題になる。「数学セミナー」に載っていた証明は,これとは違うが,有限体での「虚数単位」的なものを考えるという点では,アナロジーとして面白いと思った。

よくよく考えてみると実はどこかで読んだ証明と同じだったりするのだが,ちょっとした表現の違いや,立脚点の違いで,そうか,そうだったのか,と感じることは時々ある。今回もそんな感じだ。立ち読みしただけなので,細部を詳しくは覚えていないが,大体次のような道筋だったと思う。というか,部屋割り論法の所のアイディアだけしかちゃんとは覚えておらず,あとはこうすればできるかなあ,と適当に作ったので,もしかしたら少し違っているかも知れない。また立ち読みしにいくか(苦笑)。

pを4で割って1余る素数とすると,mod p で i2≡ -1 となる「虚数単位」的な整数 i が存在する。そこで,x+yi の形の整数を何個か作って,その余りを考える。ディリクレの部屋割り論法を使えば,余り0が必ずあることが示される。つまり,x+yi の形でpの倍数となる整数が存在することが言える。ここで,i2≡ -1 を利用すれば,
x2+y2≡(x+yi)(x-yi)≡0 (mod p)
となる。つまり,x2+y2 はpの倍数となる。さて,最初の部分ではx, yを0とpの平行根の間にとっておくのである。すると,x2+y2 は0と2pの間ということになり,pの倍数はp自身のみとなる。言い換えれば,めでたく,p=x2+y2 と書けるということだ。うーん,美しい証明だ。ちょっと感動してしまった(笑)。

投稿者 sukarabe : 2004年11月16日 23:22

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コメント

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Z[i]等に絡み漂着しました。

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なぜか うけつけないので。

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投稿者 U : 2006年06月21日 01:26

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