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2005年05月10日

打ち上げ

問題集がやっと校了したので,担当の編集者S氏とこぢんまりと打ち上げをする。6時に待ち合わせして,淵明庵へ。印刷や校正の話や,はては絶版(笑)の話などで楽しく盛り上がる。S氏には普通の編集者として以上にお世話になった。なにせ,数学上の間違いはおろか,僕の冗長な証明よりもずっと簡単な証明を指摘してもらったりしたのだから(^^;;)。

あとはミスがないことを祈るだけだ。某I先生の言によれば,誤りが5個以内だと「完璧な本」らしいから(苦笑),それだと良いなあ。

この仕事のおかげで初等幾何の勉強をさせてもらったが,なかなか楽しいのであった。簡単で気が利いている問題を探すのは案外大変だったが。次の問題はけっこう気に入っているもの。

「中心間の距離が d である2つの円が2点A, Bで交わっている。Bを通り2円と交わる直線を引き,交点をそれぞれ P, Q とする。このとき線分PQの長さの最大値を d を用いて表せ。」

解答は続きに・・・

[解答] いろいろな方法があると思うが,次の解答はいかにも初等幾何という感じのもの。角APBと角AQBはいづれも円周角なので一定である。つまり,Bを通る直線を変化させたとき,三角形APQはサイズは変化するけどもすべて相似になる。ということは,PQが最大になるとき,三角形のサイズも最大であり,AP, AQも最大になっている。それは AP, AQ がそれぞれの円の直径のときである。中点連結定理(古くさいね,笑)を使えば,いやそんな大げさなこと言わなくても,このとき PQ は中心を結ぶ線分の2倍になるので,求める最大値は 2d となるのであった。終わり。

投稿者 sukarabe : 2005年05月10日 23:30

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コメント

執筆作業してたんですね、校了おめでとうございます。
ところで、中点連結定理って、うちにあるマグロウヒル物理・数学用語辞典には出てないですよ~。

そこで問題です。「中点連結定理」が載ってるかどうかで数学用語辞典を買う時の判断材料にするってのは、正しい?

投稿者 kebaneco : 2005年05月11日 19:09

いやあ,やっと終わったという感じです。

さてさて,中点連結定理というのが,日本独特の呼び方かもしれませんので,外国の本(McGrow Hillですよね?)にはないかも。というか,ほんとに古くさい定理ですからね。まだ中学で教えているのか,とびっくりします(笑)。

そういえば,三平方の定理という言い方も外国ではしないようで,ピタゴラスの定理じゃないと通じないようです。

ということで,これだけで判断しない方が良いとは思いますが・・・。果たして正解?

投稿者 sukarabe : 2005年05月12日 06:29

正解が知りたくて出した質問だったので・・・

そうか、たしかに「スケールメリット」って日本人しか言わない(economy of scaleっていいます、英語では)ですね。そういう日本特有の言い回しが載っているか居ないかで辞書の良し悪しを判断するのは、なかり邪道ですね(笑)。よかった、やっぱ、専門家に聞くに限る!

ってわけで、大正解でしょう、これ。

投稿者 kebaneco : 2005年05月12日 09:06

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