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2005年11月09日(水曜日)

素数の音楽 [ 数学 ]

music_of_prime.jpg

昨日,素数の音楽 という本を見つけた。数学の本ではないが,数学と数学者にまつわる逸話などが沢山載っている。メインテーマはリーマン予想で,いかに多くの数学者がリーマン予想の虜(とりこ)になったかという話(ちょっとまとめすぎだが)。リーマン予想(Riemann Hypothesis)とは,リーマン・ゼータと呼ばれる関数についての予想。リーマンのゼータ関数 \zeta(s) とは,正の実数sに対して
\zeta(s)=\frac{1}{1^s}+\frac{1}{2^s}+\frac{1}{3^s}+\cdots+\frac{1}{n^s}+\cdots
と無限級数で表されるもの。ゼータ関数は素数の研究で非常に重要な役割を果たす。解析接続という方法で\zeta(s)の定義域を虚数の範囲まで広げて考えるのだが,その零点つまり\zeta(s)=0となる点が,(自明な零点を除けば)すべて s=\frac{1}{2}+it という直線上にあるだろう,というのがリーマン予想。実軸に近い方から数えて,たしか何百億個までは確かにすべてこの直線上に乗っていることが,(コンピュータを使った)計算で示されているそうだ。それでも「すべて」にはほど遠い(笑)。

まだ詳しく読んだわけではないが,案外と正確に書いてあるなあという印象。その代わり文学的趣には欠けるかも。著者はいったい・・・おやまあ,数学者じゃないの(笑)。なるほど,それなら納得が行く。それにしても,こういう本が新潮社から出るとはねえ。

しかし,どこかで読んだ話の寄せ集めのような感じでもある。幾つかの話題は,リトルウッド(J. E. Littlewood)の「数学雑談」(Littlewood's Miscellany)や,ハーディー(G. H. Hardy)の「ラマヌジャン」(Ramanujan:Twelve lectures on subjects suggested by his life and work)などで読んだ記憶がある。でも知らなかった話もけっこうあって楽しかった。セルバーグの素数定理の初等的証明に関しての,エルデーシュとのもめ事の件も,今回初めて詳しいことを知った。

数学をある程度知らなくても楽しめるものなのか分からないのだが,本屋で平積みみたいに置いてあるところをみると,案外と行ける(?)のかもしれない。評判もまずまずのようだ。 例えば,
asahi.com: 素数の音楽 [著]マーカス・デュ・ソートイ
今月の新刊採点/2005年10月/素数の音楽
など。

投稿者 sukarabe : 2005年11月09日 10:16

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