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2005年12月07日(水曜日)

物理の人が書く数学の教科書 [ 数学 ]

以前本屋で「理工学者が書いた数学の本」とかいうシリーズを見かけたことがある。ふーんと思って立ち読みしたが,正直言ってつまらなかった。案外と几帳面で数学の人が書くのと大差ないように感じたものだった。さて,偶然にWebで公開されている「物理の人による数学の教科書」を発見した。実際には講義ノートらしく草稿ということだが,なかなかの完成度でけっこう楽しめた。
学習院大学理学部物理学科の田崎晴明さんによる数学の本のページ

おすすめは10章のベクトル解析ということなので,そこからざっとながめてみた。具体的な計算例が電磁気などの物理から採られているのと,ざっくばらんな口調で心地良く読める。定義を天下りにするのではなく,物理現象と絡めて導入していく立場は素晴らしいと思う。他の章も読んでみた。ちょっと驚いたのだが,イプシロン・デルタとかコーシー列とか,基礎的なこともけっこう詳しく書いてある。物理の人がこの辺りを丁寧に書かれるとは予想外だった。イプシロン・デルタの部分で,「ほしたら,精度 ε=0.00001 やったらどないや?」「いけずやなあ,それやったら N=3500や!」というくだりには笑った。遠山啓の「数学入門」では(落語「浮世根問」の)御隠居と八さんの掛け合いだが,たしかに関西弁は感じが出ている。

投稿者 sukarabe : 2005年12月07日 16:38

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