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2006年03月23日(木曜日)

自然数の累乗和に関する等式 [ 数学 ]

ちょっと前に自然数の累乗和(ベキ和) 1^p+2^p+3^p+\cdots+N^p に関連したある恒等式を知ったのだが、たまたま実家で本棚にあったMax Koecher(マックス・ケッヒャー)著の「数論的古典解析」(この邦題はちょっとどうかと思うが・・・原題は Klassiche elementare Analysis) をながめていたら(第6章のベルヌーイ多項式の部分)、ちょうど同じ等式が練習問題に載っていた。
s_{p}(N)=\sum_{k=1}^{N}k^p=1^p+2^p+3^p+\cdots+N^p
と書くときに等式
\sum_{0\leq k\leq \frac{1}{2}(p-1)} \(\array{p\\ 2k+1}\) s_{2p-2k-1}(N)=\frac{1}{2}N^p(N+1)^p
が成り立つというもので、出典はMathematical Gazette 誌の第42巻(1958年)とあった。ここで記号\(\array{p\\ 2k+1}\)は異なるp個から(2k+1)個を選ぶ選び方の数を表すもので、要するに組合せの数(2項係数)のこと。

証明は難しくないが(両辺の階差を取れば等しいことが直ぐに分かる)、なかなか興味深い式。高校の教科書などには、s_{p}(N)を求めるのに2項定理を用いてpを一つずつ増やしていく方法が紹介されていて、それは有名だと思うが、上記に等式によればpが奇数の場合のs_p(N)は偶数の場合を経由することなく求めることができる。つまり、1乗、3乗の累乗和が分かれば、次は直接5乗の和が計算されることになる。ま、そういう実用上の問題は別にしても美しい式には違いない。

投稿者 sukarabe : 2006年03月23日 09:44

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