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2007年02月05日(月曜日)

単位円の群構造 [ 数学 ]

知っている内容でも、別の表現や立場から見直してみると面白いことがある。

単位円x^2+y^2=1は点(1,0)を単位元とするアーベル群になる。群の演算を+で表すと、
(a,b)+(c,d)=(ac-bd,ad+bc)
となる。これは複素数の掛け算とも考えられるし、また、三角関数の加法定理と考えることもできる。 それはともかく、有理点に対してこれを行うと、ピタゴラス数と関係する。

3^2+4^2=5^2, 5^2+12^2=13^2であるから、P=\(\frac{3}{5},\frac{4}{5}\), Q=\(\frac{5}{13},\frac{12}{13}\)は単位円上の有理点。この2点の和を作ると、
P+Q=\(\frac{3}{5}\cdot\frac{5}{13}-\frac{4}{5}\cdot\frac{12}{13}, \ \frac{3}{5}\cdot\frac{12}{13}+\frac{4}{5}\cdot\frac{5}{13} \)=\(-\frac{33}{65},\ \frac{56}{65}\)
もまた単位円上の有理点。つまり、33^2+56^2=65^2 となり、新たなピタゴラス数が得られたことになる。

まあ、結局はブラフマグプタの恒等式
(a^2+b^2)(c^2+d^2)=(ac-bd)^2+(ad+bc)^2
に他ならないというか、この恒等式が正に群構造を与えているということなんだが。

投稿者 sukarabe : 2007年02月05日 12:22

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