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2005年06月25日(土曜日)

大昔に買った本 [ 数学 ]

河田敬義著「代数曲線論入門」

捜し物があって本棚をローラーシフトしていたら,昔々,高校生の時に買った「代数曲線論入門」(河田敬義著,至文堂)が出てきた。たしか自分で買った数学書としては2冊目のはず(一冊目は数論の入門書)。高校2年生の夏休み,家族旅行の途中,東京に寄ったときだった。ホテルが神保町だったので,父と一緒に本屋巡りをしたのだった。田舎の本屋しか知らなかったので,書泉グランデを初めとして圧倒された記憶がある(笑)。数学の本も選り取り見取りだ!何故,この本を選んだのか分からないのだが,無謀であったことだけは間違いない(苦笑)。

日本の数学の本は総じて難しい。入門と銘打ってあっても,本当の入門書は希だ。まあ専門書から比べればということなのだが。この本も237ページの小冊子にもかかわらず,内容は豊富だ。目次をざっと拾ってみよう・・・。

全体は3部に分かれている。第I部は平面代数曲線論。第1章 平面代数曲線,第2章 有理変換,第3章 素点,第4章 単純点と重複点,第5章 形式的ベキ級数,第6章 曲線の交差,第7章 プリュッカーの公式,となっている。このような古典的な代数曲線の話は日本語では案外ない。英語だと Walkerの Algebraic Curves とかあるけど。そう考えるとなかなか良い本かな?今なら読めそうだし(笑)。

さて,第II部と第III部は紙数の関係で駆け足の解説になっている。第II部は,代数関数体の代数的理論。第8章 リーマン・ロッホの定理。むむむ・・・なんとアデールを用いた証明。岩澤先生の「代数関数論」と同じですね(笑)。はあ,そうだったのか。今になって初めて知るこの事実。気を取り直して先に進もう。第9章 代数関数体の微分,第10章 リーマン・ロッホの定理の応用。第III部はリーマン面の理論,ということだが,もう紙数がないので,ホントに駆け足。第11章 代数関数体の解析的理論。内容は,リーマン面,リーマン面の位相幾何,第1種アーベル微分,アーベルの定理,ヤコビの逆問題,楕円曲線,以上。

別の本で勉強してから読むと,良くできたレジュメとして重宝するかも(笑)。

投稿者 sukarabe : 2005年06月25日 08:11

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