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2005年12月06日(火曜日)
イプシロン・デルタ(2) [ 数学 ]
本棚を探すと,安倍齊(ひとし)著「微積分の歩んだ道」(森北出版)があった。コーシーに関して次の記述がある。
ライプニッツ以来,は「極めて小さい固定された量」を表していたが,コーシーは「は変量を表し,0にいかほどでも近づく変量である」と定義し,無限小の概念をまず明確にした。次に連続の概念を次のように定義した。
“いまが与えられ,はと共に変化するものとする。次に,とは別に,無限に小さい変化する量が与えられ,次の2つの量の差
が,が無限に0に近づくとき,いかほどでも小さくなるならば,「はで連続である」という。”
現代流に言えば「が0に近づけばは0に近づく」ということである。「ε−δ法」を用いたワイエルシュトラスの定義が生まれるまでは最も良い定義であったことはいうまでもない。
どこまで原典に当たって書かれているか不明だが,この部分の記述は「数学史 1700ー1900」のそれと一致する。
投稿者 sukarabe : 2005年12月06日 20:19
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コメント
思うに、コーシーはε-Nによる極限の定義を用いて、xに収束する任意の数列x_nから、f(x_n)なる数列をつくり、これが必ずf(x)に収束することをもって、fが連続であることの定義としたようですね。
確かにこれはε-δとは異なる表現です。(論理的には同値ですが)
ところで、これはcalc氏のいいたかったことではないでしょう。彼はコーシーの定義がε-δによることを否定したのではなかったですから。
投稿者 mathesis : 2005年12月10日 15:45
>ところで、これはcalc氏のいいたかったことではないでしょう。
そうですね。というか,calc氏の記事がきっかけではありますが,僕の興味は別なので。
しかし出来上がった物を学ぶのは楽ですよね。開拓者たちの苦労を理解するには,それなりの想像力が必要だと思いました。
投稿者 sukarabe : 2005年12月10日 22:32
>僕の興味は別なので。
ええ、あれはcalc氏にいった言葉ですから。
投稿者 mathesis : 2005年12月11日 15:10
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