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2006年02月01日(水曜日)

微分方程式と連分数 [ 数学 ]

ジーゲルの「超越数」の第2章の冒頭に、ルジャンドル(Legendre)がランベルト(Lambert)の研究を一般化して、2階の微分方程式を満たす無限級数を考えて連分数展開を導いた、という事が書かれている。 そこで、ランベルトの結果の再現を試みた。

考える関数は双曲線関数を変形したもので、
f(x)=\cosh (2\sqrt{x})=1+\frac{2^2}{2!}x+\frac{2^4}{4!}x^2+\frac{2^6}{6!}x^3+\cdots
これは、合流型の超幾何級数(たしかそうだと思うが記憶があやふや)の特殊な場合で、微分方程式
x\frac{d^2y}{dx^2}+\frac{1}{2}\,\frac{dy}{dx}=y
の解になっている。この微分方程式の両辺をn回微分して、A_n(x)=\frac{ 2y^{(n)}}{ y^{(n+1)}}と置けば、再帰公式
A_n(x)=2n+1+\frac{ 4x}{ A_{n+1}(x)}
を得る。A_0(x)=\frac{ 2\sqrt{x}\cosh(2\sqrt{x})}{\sinh(2\sqrt{x})}であるから、この式の連分数展開が得られたことになる。式を美しくするために、xのところに\frac{ x^2}{4}を代入すると、
\frac{ x(e^x+e^{-x})}{ e^x-e^{-x}}=1+\frac{ x^2}{ 3+\frac{ x^2}{ 5+\frac{ x^2}{ 7+\cdots}}}
となる。ランベルトの連分数の形にするには、さらに逆数をとり、xを掛ければよい。

さて、x=1と置いてみよう。
\frac{ e^2+1}{ e^2-1}=1+\frac{ 1}{ 3+\frac{ 1}{ 5+\frac{ 1}{ 7+\frac{ 1}{\ddots}}}}
となる。美しい! そうは思いませんか?

投稿者 sukarabe : 2006年02月01日 08:42

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