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2006年11月20日(月曜日)

指導要領に拘束力はない? [ 雑記 ]

今日の朝日新聞、「私の視点」というコラムに千葉大の新藤宗幸(しんどうむねゆき)さんという方が「指導要領に拘束力はない」という論説を書かれていた。行政学の先生らしい。

学習指導要領は法律ではなく、政令・省令でもなく、単に学校教育法に関する官僚の解釈を文科省告示として公示したものにすぎない、とのこと。だから、これに反したからといって法律違反というわけではないのにその辺りをマスコミは報じていないとお怒りの様子(笑)。

文部省の官僚は、なんとかして指導要領に「法的拘束力」を持たせようと努力(画策)してきたらしい。1990年の福岡県伝習館高校事件の最高裁判決から文部省は「法的拘束力」に自信を深めてきたらしいが、この判決ですら指導要領を法規とはせず、「大綱的基準」と位置づけているという。しかし、伝習館高校事件判決を拠り所に文部省は指導要領の順守を地方の教育委員会に押し付けてきた、とある。

へえ~という感じだ。最後のパラグラフは要約せずに引用する。

自治体もマスコミも、本来、必要最低限の基準であるべき学習指導要領が、次第にその対象範囲を拡大し詳細をきわめ、教育現場に順守を求めていることを、もっと問題視するべきだ。

「法令と同一」との「誤解」が払拭されないなら、教育行政の分権化とは裏腹に進行しようとしている、教育基本法の「改正」による教育の中央統制と教育現場の管理が、一段と強まってしまうに違いない。

(以上、2000年11月20日、朝日新聞、私の視点、千葉大教授(行政学) 新藤宗幸さん)

ここで素朴な疑問。これを論拠に世界史の単位がなくても卒業できるじゃないか、と居直った場合、現実問題としてどうなるのだろうか?高校が卒業証書を出す。文科省がクレームを付ける。さて次は?

投稿者 sukarabe : 2006年11月20日 18:22

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