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2006年11月25日(土曜日)

ある期待値の問題(4) [ 数学 ]

以前、この問題の離散近似バージョンを作ったことがあるのだが、X+Yの密度関数がconvolutionになることに示唆されて、離散バージョンの別の解法を思いついた。

nを正の整数として、n個の数\frac{1}{n}, \frac{2}{n}, \ldots, \frac{n}{n}からランダムに一つの数を選ぶ操作を考える。この操作を繰り返すとき、引いた数の和が初めて1を超えるまでの回数の期待値を求めよ、というのが離散近似バージョンになる。

連続バージョンからのアナロジーにより、1\leq k\leq nなる整数kに対して、最初のr回の和が\frac{k}{r}以下となる確率q_r(k)を考える。ここで、i回目に引いた数を表す確率変数をX_iとすれば、まず、
q_1(k)=P\left( X_1\leq \frac{k}{n} \right) = \frac{k}{n}
となる。次に、
q_2(k)=P\left( X_1+X_2 \leq \frac{k}{n} \right) =\sum_{j=1}^{k} \frac{1}{n}\cdot\frac{k-j}{n} =\frac{k(k-1)}{2n^2}
となる。ここで、離散変数についてのコンボリューションが出てきている。これを繰り返すと、一般に
q_r(k)=P\left( X_1+X_2+\cdots+X_r \leq \frac{k}{n} \right) = \frac{_k{\rm C}_r}{n^r}
となるだろう。多分・・・。ちゃんと計算してないけど、パスカルの三角形の性質から階差に書けるから、帰納法で示せると思う。

すると、これも連続バージョンと同様に、和が初めて\frac{k}{n}を超えるまでの回数の期待値E(k)
E(k)=\sum \frac{_k{\rm C}_r}{n^r} = \left(1+\frac{1}{n} \right)^{k}
のようになるのではなかろうか。だんだん自信なくなってきた(苦笑)。いや、k=nの場合、つまり、初めて和が1を超えるまでの回数の期待値が
\left(1+\frac{1}{n} \right)^{n}
になることは別の方法でチェック済みなのであるが。

投稿者 sukarabe : 2006年11月25日 15:36

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