« 連分数とフェルマーの定理(追記) | メイン | クヌースの本にもcontinuantあった »

2007年01月31日(水曜日)

ささやかな幸せ [ 数学 ]

例のcontinuantの等式を行列を用いてすっきりと証明できた。まあ、探せば既に知られている事だとは思うが、久しぶりに自分で考えたので、ちょっと嬉しい。

continuantというのは、n個の不定元(変数)からなる多項式K(a_1,\ldots,a_n)で、連分数を普通の分数で表したときに現れるもの。例えば、
a+\frac{1}{b+\frac{1}{c+\frac{1}{d}}}=\frac{K(a,b,c,d)}{K(b,c,d)}
となる。ポイントは次のタイプの等式
\(\begin{array}K(a,b,c,d,e)&K(a,b,c,d)\\ K(b,c,d,e)&K(b,c,d)\end{array}\)
  = \(\begin{array}a&1\\ 1&0\end{array}\)  \(\begin{array}b&1\\ 1&0\end{array}\)  \(\begin{array}c&1\\ 1&0\end{array}\) \(\begin{array}d&1\\ 1&0\end{array}\) \(\begin{array}e&1\\ 1&0\end{array}\)

これから、まず、転置行列を取る事により、
K(a,b,c,d,e)=K(e,d,c,b,a)
といった「反転公式」を証明できる。また、行列の積を二つに分割することで、
K(a,b,c,c,b,a)=K(a,b,c)^2+K(b,c)^2
のタイプの等式が導かれる。これらが、Henry J. S. Smithによるフェルマーの定理の証明の基礎となる。

投稿者 sukarabe : 2007年01月31日 00:19

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://njet.oops.jp/cgi/mt/mt-tb-alt.cgi/1390

コメント

コメントしてください

comment spam対策のため,名前とメールの入力が必須になっていますが,メールアドレスは公開されません。Web SiteのURLは任意です。Type Key IDをお持ちの方はType Keyをサイン・インしてくださってもいいです。




保存しますか?