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2007年08月30日(木曜日)

ガロア群が巡回群となる3次方程式について (1) [ 数学 ]

まあ、せっかくコメントして頂いた(苦笑)ことだし、ちょっとだけ。というか、さしせまった原稿があるワタシとしては、こんなことしている場合ではないのだが。逃避行動なのか?(爆)

一般の3次方程式はx^3+ax^2+bx+c=0という形であるが、x+\frac{a}{3}=tとおけばt^3+pt+q=0の形に変形される。 よって x^3+px+q=0 で考えても一般性を失わない。 この3次方程式のガロア群は一般的には3次対称群S_3であるが、特別な場合、具体的には 判別式Dの平方根が基礎体(ここでは有理数体\mathbb{Q}とする)に属するときには3次交代群A_3になる。 この場合には、3つの解(根)\alpha, \beta, \gammaに対して、
\varphi(\alpha)=\beta, \quad \varphi(\beta)=\gamma, \quad \varphi(\gamma)=\alpha
となる有理数係数の多項式\varphi(x)を具体的に求めることができる。

判別式Dは差積\Delta=(\alpha-\beta)(\alpha-\gamma)(\beta-\gamma)の2乗であるから、 上の条件は差積\Deltaが基礎体\mathbb{Q}に属することと同じである。解(根)と係数の関係から
\beta+\gamma=-\alpha, \quad \beta\gamma=-\frac{q}{\alpha}
であることに注意すれば、
\beta-\gamma=\frac{\Delta}{(\alpha-\beta)(\alpha-\gamma)}=\frac{\Delta}{2\alpha^2-\frac{q}{\alpha}}
となり、これは\alphaの多項式で表すことができる。 \beta+\gamma\alphaの多項式で表されているから、これで問題は解けたことになる。

次回はコメントにあった具体的な方程式x^3-x+\frac{1}{3}=0に対して、\varphi(x)を求める予定。

投稿者 sukarabe : 2007年08月30日 09:07

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コメント

        これで問題は解けたことになる.
<---なる 発想を 有難うございます(3次以上のときもそうなさいますか?)
       (私は無論 別の発想で 瞬時に 解いております)
-------------------------------------------------------
【忙中閑あり  One can find moments of leisure even
on the busiest of days.】 の 息抜きの 際 お願いします ;

  <忙中閑あり 0.000001秒閑∃なら 叶う 発想が在ります>

http://b4.spline.tv/mynb/?message=43

投稿者 G : 2007年08月30日 18:47

<忙中閑あり 0.000001秒閑∃なら> 叶う たので 報告します;
       逃避行動の顛末;
   P3(x)=x^3 - x + 1/3 のとき
{0.*Second, (-1 + x)/(-2 + 3*x)}<--有理式◎「●
        と 0秒 で 叶いました。

<--- 問1 α の 有理式 M(α)=(a*α+b)/(x+d) も 
解であるように その有理式 M(α) を定めよ.(有理式は2つ在る)

投稿者 G : 2007年08月30日 19:10

直前で 有理式 M(x) を 定めたので このほうから
 http://b4.spline.tv/mynb/?message=44

投稿者 G : 2007年08月30日 21:02

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