« 駅前のお祭りは来週の週末 | メイン | ガロア群が巡回群となる3次方程式について (5) »

2007年08月31日(金曜日)

ガロア群が巡回群となる3次方程式について (4) [ 数学 ]

最後の作業は2\alpha-1の逆数を\alphaの多項式として表すこと。 \alphaは方程式
f(x)=x^3-x+\frac{1}{3}=0
の根であるから、これは商体\mathbb{Q}[x]/(f)における2x-1の逆元を求めることと 同じ。さらに言い換えると、多項式環\mathbb{Q}[x]において、合同式(2x-1)P(x)\equiv 1\ ({\rm mod}\, f) を 満たす多項式P(x)を求めることと同じ。さらにさらに言い換えると、多項式環\mathbb{Q}[x]において
(2x-1)P(x)-f(x)Q(x)=1
を満たすP(x), Q(x)を(どれか一つで良いから)求めることと同じ。 ちょっとくどくなったが、これで(多項式環における)不定方程式の話になった。

これを解くには整数の不定方程式の場合と同じく、ユークリッドのアルゴリズム(いわゆる互除法)を用いればよい。 この場合は2x-1が1次式であるから、f(x)2x-1で1回割ればよい。 結果は次の通り。
f(x)=\frac{1}{8}(2x-1)(4x^2+2x-3)-\frac{1}{24}
これにx=\alphaを代入すれば、f(\alpha)=0であるから、
\frac{1}{2\alpha-1}=12\alpha^2+6\alpha-9
以上で 2\alpha-1の逆数を\alphaの多項式で表すことができた。これから、
\frac{\alpha}{2\alpha-1}=12\alpha^3+6\alpha^2-9\alpha=12\left(\alpha-\frac{1}{3}\right)+6\alpha^2-9\alpha=6\alpha^2+3\alpha-4
となる。

投稿者 sukarabe : 2007年08月31日 21:34

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://njet.oops.jp/cgi/mt/mt-tb-alt.cgi/1612

コメント

コメントしてください

comment spam対策のため,名前とメールの入力が必須になっていますが,メールアドレスは公開されません。Web SiteのURLは任意です。Type Key IDをお持ちの方はType Keyをサイン・インしてくださってもいいです。





次回の入力を省くために、名前・URLなどを保存しますか?