Fischer-Spassky Game4におけるPrepared Innovation

1972年のチェス世界選手権戦でFischerはSpasskyに勝利したのだが,個々のゲームでは何度か痛い目にあっている。特に白番での Sicilian Sozin と黒番での Sicilian Najdorf (Poisoned Pawn) というフィッシャー得意の戦法で作戦負けに追い込まれたのは,ファンとしては非常に残念なのであった。

第4戦(Game 4)はフィッシャーが先番で,得意のSicilian Sozin. ところが,スパスキー側にはSicilanの専門家であるGellerが居て,事前に研究されていた新手 (13… a5!) を指されてしまう。スパスキー陣営のKrogiusのメモ(The Match Diary by Nikolai Krogius Part 3)によれば,驚くべきことに,21… Rd8 (実際にはスパスキーはこの代わりに 21… h4 を指したのだが) まで事前に分析されていたようなのである。

すべての序盤戦についてここまでの研究はできないだろうが,フィッシャーの得意戦法については,ロシア側で徹底的な研究がされていたということだろう。

以下の注釈は,Krogiusによるもの。