2次形式メモ(1)

[ 備忘録 ]


すっかり忘れている、というわけではないが、復習も兼ねてまったくの最初からやり直し中。

整数係数の2次形式$f(x,y)=ax^2+bxy+cy^2$が題材。これを$(a,b,c)$と略記する。最初の目標は平方和で表される素数$p=x^2+y^2$なので、正定値(positive definite)の場合に限定。判別式$D=b^2-4ac$は負となる。これらを整数係数の1次変換
 $x=pX+qY$,  $y=rX+sY$  (ただし $ps-qr=1$)
で変換して行き、互いに移り合うものを「正式に対等(あるいは同値 properly equivalent)」と呼んで同一視する。判別式$D$を固定したとき、同一視されたものをまとめた「類(class)」の個数は有限。これを類数(class number)という。

判別式$D$が負の場合、つまり正定値の場合は、類の代表として
\[ c\geq a>0, \qquad -a \leq b \leq a \]
なる形式が選べる。これを「簡約形式」と呼ぶ。証明はいろいろあるが、ガウスの証明がアルゴリズム的で面白い。与えられた形式に「右から隣接する」形式を次々と作っていく。有限回のステップで上記の簡約形式にたどり着くことが簡単に示される。

簡約形式は互いに対等でないかというと、ほとんどそうだが例外がある。
 $(a,a,c)$と$(a,-a,c)$
 $(a,b,a)$と$(a,-b,a)$
は互いに等値である。この例外を除けば、簡約形式は互いに対等ではない。