徳間文庫版「史記」

司馬遷「史記」(徳間文庫版)

徳間文庫から司馬遷の史記が出ている。編年体の要素を取り入れ、おおよそ時代順に配列されている。訳文もこなれていて読みやすいし、原文(白文)と訓読の書き下し文が付いているのもグッド。やはり原文を訓読しないと漢文読んでるという気分にならないし。さらに、必要に応じて補足説明があるが、簡にして要を得ている。訳者たちが目指したのは「読める古典」ということだが、すばらしい仕事だと思う。

第4巻の項羽・劉邦を一通り読んだので、いま第1巻をところどころ拾い読み。岩波全書の漢文入門でたびたび登場する「楚の荘王」は春秋時代だったんだね。なかなかの名君だったようだ。「鳴かず飛ばず」や「鼎(かなえ)の軽重を問う」などの逸話が面白い。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。