魔が差して短歌入門書を買ってしまった

いやあ、魔が差したとしか言いようがないのであるが・・・。

来嶋靖生 新版 短歌入門「採れなかった歌」

囲碁、将棋、チェス、いずれも敗戦から学ぶことが多い、と良く言われる。確かに、敗因を考えることが一番の勉強になることは経験上からも納得できる。本書はさしずめ、その短歌バージョンということだろうか。

それにしても、まさか短歌の入門書を買おうとは思わなかった。久々にジュンク堂に行き、川又先生の射影幾何の本(ポンスレーの定理の代数幾何的証明が載っていた)をカゴに入れ、下に降りて、最近ちくま文庫で再刊されたという 小西甚一「古文の読解」を探しに行く途中の出来事。

ふと棚を見ると、短歌・俳句のコーナーだった。へえ、こんなにこの分野の本ってあるんだ〜というのが最初の驚き。母が短歌を詠むので(どこぞの同人に入っていたと思う)、まんざら興味がないわけでもなかった。さりとて、百人一首すらろくに読んだことがないワタシである。普通はスルーするはずなのだが・・・。

熟年からの短歌入門、とかありそうなタイトルの本をいくつか手に取り、いやはや入門書ってものはこういう物かとか悪態をついていた 😉 ところで本書 (来嶋靖生 新版 短歌入門「採れなかった歌」) が目に留まった。手に取って、まず装丁とカバーの手触りが気に入ったところで、既にやられているのかも知れなかった。はじめにを読んで、明晰かつ論理的な説明に、おやおや、これはなかなかではないかと思った時点で、8割方敗北していたかも。それでも、しばらくは踏み止まったのだ。いまさら短歌の本なぞを買ってどうするのだ、と冷静なもう一人の自分が諭すのである。確かにそうである。しかしこの本は、装丁といい、活字といい、著者の人となりといい(いや、単に、はじめにと後書きで判断したのだが)、なかなか素晴しいではないかと。

ということで、買ってしまったですよ、短歌の本を。どうしたら良いのでしょうかねえ 😯 。

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