録画しておいたNHKハイビジョン特集「リーマン予想」を観た。ううむ。微妙・・・。
「素数の魔力に囚(とら)われた人々 ~リーマン予想・天才たちの150年の闘い~」というタイトルからしてNHKらしいというかテレビらしい無理やり盛り上げようという感じが垣間見えて少々うんざり。内容は・・・一般向けにはこういう説明になってしまうのかなあとも思うが,複素数の話とかいっさい抜きで,いきなりゼータ関数の零点を曲面の高さ零の位置だというのは・・・まあ,仕方ないですか。
素数階段とガウスの素数定理の部分は良かった。素数階段という表現方法は初めて知ったが,なるほどね。これは上手いと思う。オイラーがこれを考えていたというのは,本当なのか?という疑問はあるが。
許しがたいのは,ハーディの描写。これでは,陽気で自信家で能天気な変人ではないか。おまけに,リアルパート 1/2 のライン上に無限個の零点があることを示した論文について,これではリーマン予想の証明になっていないという件に至っては噴飯もの。そんなこと(リーマン予想の証明になっていないこと)は当たり前ではないか。まるでハーディが大失敗したような描写には我慢ならない。NHKに抗議の手紙を書いてやろうかとすら思うほどである。繰り返しになるが,ハーディの結果は,当時としては最高峰であったのだ。プンプン。