大橋堂の万年筆

仙台・大橋堂の万年筆 (黒、エボナイト)

もう15年ぐらい前になると思うが、東武デパートでぶらぶらしていたら、手作り万年筆の出張販売というのをやっていた。それが仙台の大橋堂だった。試し書きしたところ、とても書きやすいので、即座に購入したのだが、それがこの万年筆。本体はエボナイトでペン先は14K、胴に何故か18Kのリングが嵌めてある。当時で6万5千円ぐらいした。今なら即決はできない金額である 😉 。もう少し安いのが良いなあと思っていたのだが、いろいろ試した中で書き味が一番好みのを選ぶとこれになってしまったのだ。太字も良いよとお店の人に言われたが、その頃は原稿書きはもっぱらロットリングの製図ペンを使っていて、とにかく細字でくっきりした字が書けるものを求めていた。

万年筆ではロットリングのようなシャープな輪郭は無理だが、この大橋堂の万年筆(翌年もう一本買ったので、この初代は大橋堂1号と呼んでいるのだが)は、極細なのにペン先は滑らか。太字用のヌルヌルとした滑らかさとは違うが、細字でこれだけの滑らかさは特筆すべきだと思う。今でも小さめの字でびっしりと書きたいときは、これに限る。

ペン先を引き抜いて洗浄したときに分かったのだが、根本にSailorと刻印されている。おそらくはペン先はセーラーのOEMなのだろう。インク・カートリッジはセーラーのものを使うように言われたのだが、そういう理由だったのだ。そうそう、この万年筆に対するほとんど唯一の不満は、カートリッジ式であること。インク吸入式であれば申し分ないんだけどねえ。

“大橋堂の万年筆” への4件の返信

  1. セーラーの万年筆って書きやすいというイメージがないのに、ペン先がセーラーで書きやすいってなんだか不思議な感じです。そのあたりがワザなんでしょうかね?

  2. >kebanecoさん

    いやいや、セーラーは侮れないというか、なかなか優れものですよ。プロフィットというシリーズ、試し書きしたことありますが、気に入って思わず買いそうになりました(笑)。ペン先磨きの名人も社員に何人もいらっしゃるみたいで、潜在能力はかなり高いと思います。ただ、トータルな商品として見た場合、どうしてもモンブランとかに負けちゃうのかなあと思います。

    ペン先の話に戻りますが、いろんな経験をして分かってきたのですが、自分に合うペン先を選ぶこと、あるいはペン先を自分に合わせて調整してもらうことがとても重要みたいです。大橋堂さんで買ったときは、担当の人(たぶん奥さんだと思います)が僕の反応や書き癖を見ながら、じゃあ次はこれで書いてみて、などというやりとりがありました。そうこうしているうちに、おおこれは!というペン先に出会えるという感じでした。もちろん、ペン先の磨き方も良いのでしょう。ペン先の話はまた別の機会に :mrgreen:

  3. そうなんですね~
    そういえば、母にはお気に入りの万年筆屋さんがありました。そこでペン先のお手入れするというのに何度も付き合わされたことがあります、彼女がまだ教職についていた頃なので私が小学生の頃ですが。
    帰りに満足そうな母と喫茶店に入り、パフェ食べるのが二人の秘密でした(笑)。

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