小説の類はまったくと言っていいほど読まないし、まして谷崎潤一郎なんて名前ぐらいは聞いたことあるなあ、てな有様のワタシなのですが、つい魔が差して 😉 買ってしまいました。
きっかけは先日NHKでやっていた「母恋ひの記」というドラマ。平安の王朝時代が舞台なのですが、原作の「少将滋幹(しげもと)の母」を眺めてみたくなったのです。
元々は毎日新聞に連載された新聞小説らしいのですが、全体が完成してから連載を始めるというのは新聞小説としては異例。挿絵にも谷崎はこだわりがあったらしく、中公文庫版では、その挿絵も復刻されています。(新潮文庫版もありますが、こちらは挿絵がないようです。)
言葉遣いなどが古風なことと、古文(短歌が主)の引用とかもあるので、すらすらとは行きませんが、存外読みやすいです。難しい漢字にはルビが振ってありますし。小説ですから創作に違いないのですが、あたかも実際にこんな話があったかの如く語りかけるという雰囲気の記述で、なかなか楽しいです。