徳間文庫版「史記」

史記〈4〉逆転の力学 (徳間文庫)

司馬遷の史記はいろんなバージョンが出版されているが、徳間書店のものは、読みやすく再構成された特色のあるもの。いま読んでいるのは、項羽と劉邦の覇権争いの部分、文庫版の第4巻なのだが、項羽本紀、高祖本紀の他、淮陰候列伝(韓信の伝記)などを織り交ぜて、前後の関係が分かりやすくなっている。もっとも、項羽本紀を通しで読みたいという時など、ちょっと不便なこともあるのだが。

本文は、必要に応じて歴史的な説明などがあり、まずは現代語訳、続いて、原文(白文)と書き下し文(訓読)が上下2段で併記されている。白文と訓読を比べながら読めば漢文を読んでいるという満足感(?)も得られるのだが、個人的には白文ではなくて、返り点(レ点、一二点など)が付いているともっと良かったのになあと思う。活字を組むのは大変だと思うが。

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