Cyclotomic Numbers

以下,全くの個人的メモ。

Gaussの円周等分論にあるのだが,一見すると関係なさそうな不思議なものが,Cyclotomic numbers (円分数とでも訳すのか?)なるもの。初等的議論で,Cyclotomic numbers についての性質が示せることが分かったので,メモ。簡単のため,$p=4l+3$の場合についてのみ。

$p$を素数として,modulo $p$での平方剰余を$R$で表し,平方非剰余を$N$で表す。$1\leqq a \leqq p-2$なる$a$に対して,$a\in R$, $a+1\in R$なる$a$の個数を$(RR)$と書く。同様に,$a\in N$, $a+1\in R$なる$a$の個数を$(NR)$と書く。$(RN)$, $(NN)$も同様に定義する。これらの数を求めるのが目標。

$p=4l+3$のときには,$(RR)=(NN)=(NR)$が成り立つ。これが鍵となる。まず,$a\in R$, $a+1\in R$とする。$p=4l+3$のときは,$-1$が非剰余だから,$-a\in N$, $-a-1\in R$となる。対応$a \longleftrightarrow -a-1$によって,$(RR)=(NN)$となる。

$(NR)=(NN)$の証明には,$a$のmodulo $p$での逆元$b$,つまり,$ab\equiv 1 \pmod{p}$なる$b$を用いる。$a\in N$, $a+1\in R$とする。このとき,$b\in N$であり,また,
\[ 1+b=ab+b=(a+1)b \in N \]
であるから,$b\in N$, $b+1\in N$となる。故に,対応 $a\longleftrightarrow b$によって,$(NR)=(NN)$が成り立つ。

あとは簡単。$a\in R$のとき,$a+1$は$R$, $N$のいずれかだから,
\[ (RR)+(RN)=\frac{p-1}{2} \]
が成り立つし,定義から,
\[ (RR)+(RN)+(NR)+(NN)=p-2 \]
は明らか。以上から,
\[ (RR)=(NN)=(NR)=\frac{p-3}{4}, \quad (RN)=\frac{p+1}{4} \]
が得られる。

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