一つの本をじっくり読むことができないワタシ(苦笑)。いろんな本をハシゴしながら勉強中。ようやく、心理的にも様々な定義に納得が行く状態になりつつあり、ちょっと嬉しい。以下、いくつかメモ。
一つのポイントは、やはり整数の定義。単に、和と積について閉じているだけでは、理論を展開しているうちに、困った点が出てくる。例えば、環 $\mathbb{Z}[\sqrt{-3}]$ など。和と積について閉じてはいるが、ここでは素元分解の一意性が成立しない。ポイントは整閉 (Integrally Closed) でないこと。代数的整数を、モニックな多項式の零点と定義することの重大性がここにある。
デデキントのイデアルは結局のところ、クンマーの理想数を具現化したものに他ならなかった。クンマーの理想数は、数体系を拡張して実際の数として作ることはできないけれども、理想数の目的である素因子分解に着目すれば、イデアルが対応物になっている。後知恵ではあるが、因子 (Divisor) の理論が作られていて、(クンマーの理想数を念頭において) 公理的に因子が満たすべき要件をリストアップして調べていくと、結局、デデキントのイデアルと同値にならざる得ないことが結論付けられる。
デデキントのイデアル論は、抽象化されて、ワタシたちが学生の時に習ったような形態にまで進化した。抽象化への主たる貢献者はエミー・ネーター。デデキント環(デデキント整域)は、ネーター環のうち、整閉であり、(0以外の)すべての素イデアルが極大イデアルであるようなもの、と特徴付けられる。この定義は学生のときから知っていたが、その整数論的意義はあまり分かってなかったなあ。
2次形式との対応をつけるには、イデアルだけでは不十分。正確に言えば、2次体 $K=\mathbb{Q}(\sqrt{m})$ の極大整数環 $\cal{O}_K$ のイデアルだけでは不十分であり、その上のモジュール、デデキントの用語ではオルドヌング(Ordnung)、まで考える必要がある。