谷山浩子楽譜全集(復刊ドットコム POD版)

復刊ドットコム
谷山浩子楽譜全集(復刊ドットコム POD版)

復刊ドットコムのメルマガで谷山浩子さんの楽譜全集が復刊されていることを知ったので、先日注文していたのだが、本日到着した。ギターの弾き語り用なので、メロディーとギター伴奏とコードのみ。てっきりピアノ伴奏譜と思っていたので、若干当てが外れたかなあ。まあ、しかし、メロディーとコードがあるから何とかなるでしょうか。

ドレミ楽譜出版社より発売されていた「谷山浩子/楽譜全集」(1982年初版)と「続・谷山浩子/楽譜全集」(1984年初版)の2冊を合本したもので、かなり厚い。レコードコピーと表記されているのは、作曲者側からオフィシャルに提供された楽譜じゃないってことだろうか。ちょっと謎。曲順は、アイウエオ順ではなく、元々のLPレコード別にまとめられている。レコード(またはCD)を持っている者にとっては、この方が好都合である。時代順に並んでいるってことでもあるし。シングル盤(EP盤)の曲も別途まとめてあり、「カントリーガール」などが収録されている。

ということで「おはようございますの帽子屋さん」以来のファンとしては嬉しいのであるが、当然とはいえ1984年以降の曲はない。「うさぎ」載ってないなあ、何年のかなあ、と検索していると、何と YouTube にアップしている輩が居る。むむむ・・・ 👿 。いや、便利には違いないのだが・・・。

YouTube – 谷山 浩子 「うさぎ」

そういえば、いままで YouTube で検索したことなかったっけな・・・いや、いろいろアップされているではないか 😯 😯

YouTube – てんぷら☆さんらいず / 谷山浩子

オールナイトニッポン木曜第2部のオープニングテーマだった「てんぷら☆さんらいず」。アレンジがLP収録の地味なものから様変わりしてポップになっていたので驚いたものだ。えっとCDどこにしまったかなあ。これから探さなきゃ 😉 。

Cahenの数論教科書

Cahen : Theorie des nombres tome 2

19世紀末〜20世紀初頭の数論教科書をいろいろ探して眺めているのだが、Cahen の Theorie des nombres 第2巻、が好みに合うようだ。フランス語なので今まで敬遠してきたのだが、読まねばなるまい。

第2巻の大部分は2次形式について。種の理論は、具体例で動機を説明したあと一般論に移る。例も豊富で嬉しい。2次形式も一般形、つまり中央の係数が偶数とは限らない形、で書いてあり、これも嬉しい。

あとは錆びついたフランス語の知識で、ぼちぼち読んでいきますかね。錆びついたと言っても、少しは習っていたおかげか、おおまかには読める。一般書はまったく読めないが、やっぱり数学書のフランス語は易しい。

オイラー博士の素敵な数式

Dr. Euler’s Fabulous Formula: Cures Many Mathematical Ills

Dr. Euler's Fabulous Formula (Paul J. Nahin)

息抜きに、気楽に読める本を。翻訳(オイラー博士の素敵な数式)も出ているが、原書の方が字体(タイプフェイス、フォント)やレイアウトがステキ。タイトルの formula は普通は公式と訳すが、ここでは数式と訳してある。もっとも、サブタイトルの Cures Many Mathematical Ills が「多くの数学の疾患を治療する」みたいな意味だから、formula は公式と処方箋を掛けているのだろう。しかし「ドクター・オイラーの素晴らしい処方箋:多くの数学的疾患に効く」とすれば、数式という部分が消えてしまう。うーん、難しいなあ。

知っている内容がほとんどだが、知らないことや、知っていても、へえ、そんな見方もあるのか、といった事もあり、楽しい本。あ、そうそう、円周率が無理数であることの証明は、ジーゲルの超越数の本からそっくりそのまま持ってきているなあ。

谷崎潤一郎「少将滋幹の母」

少将滋幹の母 (中公文庫)
谷崎潤一郎「少将滋幹の母」中公文庫

小説の類はまったくと言っていいほど読まないし、まして谷崎潤一郎なんて名前ぐらいは聞いたことあるなあ、てな有様のワタシなのですが、つい魔が差して 😉 買ってしまいました。

きっかけは先日NHKでやっていた「母恋ひの記」というドラマ。平安の王朝時代が舞台なのですが、原作の「少将滋幹(しげもと)の母」を眺めてみたくなったのです。

元々は毎日新聞に連載された新聞小説らしいのですが、全体が完成してから連載を始めるというのは新聞小説としては異例。挿絵にも谷崎はこだわりがあったらしく、中公文庫版では、その挿絵も復刻されています。(新潮文庫版もありますが、こちらは挿絵がないようです。)

言葉遣いなどが古風なことと、古文(短歌が主)の引用とかもあるので、すらすらとは行きませんが、存外読みやすいです。難しい漢字にはルビが振ってありますし。小説ですから創作に違いないのですが、あたかも実際にこんな話があったかの如く語りかけるという雰囲気の記述で、なかなか楽しいです。

ガウスの「整数論」

ガウス 整数論 (数学史叢書)

ガウス整数論 (高瀬正仁 訳)


もちろん聖典でありまするから、高瀬さんの翻訳が出たときは、小躍りして買ったのです。しかし、ちゃんと読んだかというと、恥ずかしながら未だ通読できず、というか、例の2次形式の合成のところなど、ガウス本人のオリジナルの方法はさすがに大変なので、後世の改良版とかで読むわけですよ、やっぱり。そういうわけなので、ガウスの本で勉強するというよりは、最近の本で勉強し、たまにガウスを眺めるというような有様になってしまっています。

ところが、先日、ディリクレ・デデキントの本と間違えて鞄に入れてしまい(笑)、仕方なく(苦笑)読んでたわけですよ、電車の中とかで。そうすると、新たな発見がありまして、いやあ、やはり原典は読まなきゃなあと改めて思ったわけですね。

第5章から2次形式に入るのですが、もうとっぱじめから、2次形式で表される数と平方剰余の関係が書かれているのですね。ガウスにおいては、最初からそういう視点で議論されているのかあ、と。

しかし、その証明というか、使われる恒等式はなかなか高級です。例えば、2次形式
\[ 2x^2+2xy+3y^2 \]
で表される数を考えます。もし、ある整数 $p$ が原始的に、つまり互いに素な$x$, $y$で表されるとすれば、
\[ nx-my=1 \]
なる$m$, $n$が取れるのですが、そのとき、恒等式
\begin{align*}
&(2x^2+2xy+3y^2)(2m^2+2mn+3n^2)\\
&=(2xm+xn+ym+3yn)^2+5(xn-ym)^2
\end{align*}
を用いると、
\[ p(2m^2+2mn+3n^2)=(2xm+xn+ym+3yn)^2+5 \]
となり、$-5$がモジュロ $p$ で平方剰余になるのです。理解するのは難しくないですが、この恒等式って、正に2次形式の合成ではないですか 😯 。

ふと、そう言えば Cox の本 (Primes of the Form $x^2+Ny^2$) に書いてあったなあと引っ張りだしてみると、ラグランジュがすでに上の恒等式を使っています。なるほど、なるほど。少し分かってきたような気がします。頑張って読んでみましょう :mrgreen:

初めてのPerl

ランダル・L. シュワルツ,トム フェニックス
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2次形式の変換作業を計算機にさせようと :mrgreen: Perlの入門書を本棚から引っ張り出してきた。良く知っている PASCAL とか C で書いてもいいのだが、まあ、所詮は整数の四則演算だから言語はどれでも大差ないから、復習も兼ねて。というか、以前、TeXの数式部分を画像に変換するプログラムを書いてから大分経つので、すっかり忘れてしまって、全くの初心者に戻っているのだけど(苦笑)。

Perl特有の習慣に未だ馴染めない所もあるが、まずまず理解しやすい本。実際に動作するサンプル・プログラムが付いているともっと良いと思うが。差し当たって、2次形式のデータ型を定義するにはどうするかとあちこち見るのだが、構造体ってのはないんですかね。


パスカルのレコード型、Cの構造体に対応するものが見つからないが、ハッシュで表現しろということなのだろうか。2次形式
\[ f(x,y)=ax^2+bxy+cy^2 \]
を (a,b,c) と略記して、これを一つのデータ型にしたいのであるが・・・。

パスカルなら、例えば、

type 
  quadratic_form = record
    left : integer;
    middle : integer;
    right : integer;
  end;

C は、えっと・・・うろ覚えだが、

struct quadratic_form {
  int  left;
  int  middle;
  int  right
};

みたいに定義すれば、quadratic_form 型というのが定義できる。

これをハッシュでやるとどうなるのかな? 個別の2次形式、例えば some_quadratic_form=(2,3,4) を表すには

%some_quadratic_form = (
  "left" => 2, 
  "middle" => 3,
  "right" => 4
);

などとするのだろうが、こういうものを包括的に一つの型として登録することはできないのだろうか。それとも、そういうことはしないという風土なのか。なんでもそうだけど、初心者はこんな簡単そうなところで悩むからつらいよねえ。

Duncan Buell著 Binary Quadratic Forms


えー、また2次形式の本を買ってしまいました(汗)。Amazonで一部が立ち読みできるのですよ(なか見!検索)。目次などを見ていて良さそうだったので、ついクリックしちゃいました。着いたのが注文の翌々日、釧路に行く前の日だったので、カバンに入れて旅のお供。空港や機内で暇があると読んでましたが、まずまず期待通りの内容です。

個人的にありがたいのは、2次形式を$ax^2+bxy+cy^2$の形、つまり中央の係数が偶数とは限らない形で扱って、ガウス、ディリクレに倣って初等的に議論してあるところでしょうか。ありそうで存外ないんですよね、このスタイルが。まあ、ガウスとディリクレ読んで内容を理解すれば、自分でできるはずのことではあるのですが。あと、具体例が割と多いのと、アルゴリズム的な側面に比較的力点が置かれているのが良いように思います。実際に動くプログラムが書いてあるともっと良かったんですが。

ということで、この本に期待したことは裏切られてないのですが、全体としての完成度というか何というか、一つの作品として見た場合、ちょっとなあと思う点があちこちに。うまく言えないのですが、ディリクレ、デデキントの本のような碩学の手による作品と比べると、うーむ・・・。まあ、これはこれで役に立つのでいいですかね :mrgreen:

Paul Bachmannの数論教科書Grundlehren der Neurener Zahlentheorie


以前探したときにはなかったと思うが、今日、久しぶりに The Internet Archive で検索したら、Paul Bachmann の数論教科書 Grundlehren der Neurener Zahlentheorie が見つかった。

Internet Archive: Details: Grundlehren der Neurener Zahlentheorie

Bachmannは沢山の教科書を書いていて、初等数論、2次形式・2次体の数論に限っても、何冊かある。内容的に重なる部分もあるが、執筆時期やターゲットに応じて微妙にニュアンスが違っていたりする。この Grundlehren は1907年の出版だが、以前の同種の著作に比べてモダンなスタイルで、現今の教科書に近い。後半ではデデキント(Dedekind)のイデアル論が展開されているが、それに対応して前半の記述が以前のものと変わっている。

まず、$ax+by+cz+\cdots$ の形で表される整数全体の集合を導入している。古典的な1次の不定方程式の理論をイデアルないしモジュールの言葉で翻訳しているに過ぎないが、数体のイデアル論をあとで説明するには、こういう言い換えがあるとスムースに繋がる。次に、2次形式だが、イデアル論との対応が容易なように、$ax^2+bxy+cy^2$ と中央の係数が偶数とは限らない形で扱っている。以前の教科書ではガウス以来の伝統に従って $ax^2+2bxy+cy^2$ の形だった。これだと2次体の主整環だけでは対応できず、その上のモジュール、デデキントの用語でオルドヌング(Ordnung)というものを考える必要があったと思う。

現今の教科書に近いと上で書いたが、逆に考えれば、今の教科書はBachmannを引き継いでいるとも言える。むしろ、最近の本よりも詳しく、ゆったりと理論が展開されている。読者層は今ほど多くないと思うが、これだけのページ数の書籍が出版できたというのは、ある意味豊かな時代だったのだろうか。

酒井孝一「整数論講義」(宝文館出版)

酒井孝一 整数論講義 宝文館出版

先日 Amazon のマーケット・プレイスで見つけて購入したのがこの本。少し前に神保町の明倫館で見つけて、かなり心を動かされたのだが、あまりな値段に少々ムッとして買わなかった。あこぎとは言わないが、あんまりだ(笑)。ぱっと見た段階で、自分が欲しいのはこういう本だと思ったのだけど。まあ、整理されたのを読むより、自分なりに整理して、こういう形にまとめるのが勉強としては良いかなとも、ちょっと思ったのも見送った一つの理由なんだけどね 😉 。

でも、マーケット・プレイスでまずまず許容できる値段で出ていたので、思わずポチッとクリックしてしまった(苦笑)。手にとって読んでみると、正にこういう本を求めていたのだ、と感じる。内容は高木貞治の「初等整数論講義」を現代風というか、まあ、ファン・デア・ヴェルデン風のモダーンな感じにしたもの。この程度に抽象的に書かれる方が、かえって分かりやすい。それに、具体例も多く、アルゴリズム的要素もきちんとあり、具体的な計算をどうすれば良いか、分かるように書いてある。ワタシに理解できるというか、受け入れ易いのは、このレベルだなあ、と思う。もっと抽象度が上がると、理解はできても、心理的に嫌な感じになる。同じ内容であっても、完全系列とか、群のコホモロジー(例えばヒルベルトのSatz 90) とか言われると、うーむ、勘弁してくれ(笑)という気持ち。記述も丁寧で嬉しい。序文に「高校生でも読み始められるようにとの意図をもって書いた」とあるが、確かにこれなら高校生でも読めると思う。というか、そのレベルでないと読めない我が身が情けないのではあるが。

惜しむらくは「種の理論」がない。まあ、指標系も心理的障壁を越えたから、こっちは、藤原松三郎などで補おうかな。(高木貞治の本では、類体論との関係で、さかさまに種の理論を展開している。平方類で割ったものを種と定義して、それが指標で定まることが最後の結論になっているのだが、この流儀はあまり好みではないので・・・。)

月刊エレクトーン8月号

月刊エレクトーン 2008年8月号

知り合いが月エレ8月号に載った~ということで、本屋に見に行ったのだが、結局買ってきた。このところ立ち読みすらしてなかったのだが、エレクトーンって、まもなく誕生50周年なんですね。知らなかったな。あれ?ワタシとほとんど同い年ってことですか?(笑)

せっかく買ったのだからと、何か弾ける曲はないかと探すのだが、うーん、知らない曲ばかり。唯一知っているのが、トゥーツ・シールマンスのブルーゼット。Thielemansが楽屋で鼻歌(ハミングか?)で作ったと言われている曲。あれ?でも、2段譜だ・・・。これって、左手ベースの譜じゃないっすか~ 😯 。はあ~、そうですか。よく見ると、「佐々木昭雄のJazz Organでセッションしよう」という記事だった。ふーむ、なるほどね。連載で、今回が第3回。鈴木さんも、こういう連載やらないっすかねえ。ループスタイルリズムでセッションしよう、とかね(笑)。