センター試験・数学IA 第3問

twitterのTLで今年のセンター試験・数学IAが難しくなってる,傾向が今までと違う,等々あったので,検索して問題をDLしてみた。いままでのセンターの問題とかほとんど見たことないので,どこがどう違うのかは分からないものの,第3問の幾何がちょっと面白そうだったので,図を描いてみた。

2013センター試験・数学IA第3問(全部入り)

図が描いてあれば易しい問題だと思う。文章をちゃんと読んで,正しい図を描くことが存外難しいということなのであろう。

$\angle PAO=\theta$ とおけば,$\tan\theta=\frac{1}{3}$であるから,$\tan 2\theta=\frac{3}{4}$ となる。よって,三角形ABCは3辺の長さの比が$3:4:5$の直角三角形である。$AB=6$であるから,$AC=\frac{24}{5}$ となる。

三角形ABCの内接円の半径$r$は,この場合は直角三角形であるから,次のように相似を利用して簡単に求められる。
\[ AN:NC=AN:NQ=AD:DP=3:1 \]
であるから,
\[ r=\frac{1}{4}AC=\frac{6}{5} \]
これから,三角形ADPと三角形ANQの相似比は$5:6$と分かるから,
\[ PQ=\frac{1}{5}AP=\frac{\sqrt{10}}{5} \]

なお,図版は asymptote で描いた。備忘録的にソースを書いておく。

import fontsize;

defaultpen(fontsize(11));
dotfactor=6;
//pen dashed=linetype("6 6");
// pen dashed=linetype("3 3");
pen dashed=linetype("4 4");
pen thick=linewidth(0.6bp); // 太線用のペンを定義する。
pen hairline=linewidth(0.3pt);

defaultpen(linewidth(0.4bp)); // 線の太さを0.4ポイントに設定

// usepackage("amsmath");
usepackage("MinionPro");

import geometry;

/* 2点A, Bを結ぶ弧 */
path ConnectTwo(pair A, pair B, real OffSet) {
  pair M=(A+B)/2+OffSet*unit(B-A)*I;
  return A..M..B;
}


size(8cm,0);

point pO=(0,0), pP=(0,1);
circle cO=circle(pO,3), cP=circle(pP,1);

line T1=tangent(cP,pO-pP);
point[] pAB=intersectionpoints(T1,cO);
point pA=pAB[0], pB=pAB[1];

line tgs[]=tangents(cP,pA);
line T2=tgs[1];
point pD=intersectionpoints(T2,cP)[0];
point pC=intersectionpoints(T2,cO)[1];

point pE=2*pO-pC;

circle icABC=incircle(pA,pB,pC);
circle icCEA=incircle(pC,pE,pA);
point pQ=icABC.C, pR=icCEA.C;

point pT1=intersectionpoints(icABC,pA--pC)[0];
point pT2=intersectionpoints(icABC,pB--pC)[0];

point pM=intersectionpoints(pA--pP,pO--pD)[0];


real dist=0.15;
draw(Label(scale(0.9)*"\kern -0.5em\raise 1ex\hbox{$\frac{24}{5}-r$}", align=Center,filltype=UnFill), ConnectTwo(pA,pT1,3.7dist), hairline+dashed);

draw(Label(scale(0.9)*"$3$", align=Center,filltype=UnFill), ConnectTwo(pA,pD,1.5dist), hairline+dashed);
draw(Label(scale(0.9)*"$3$", align=Center,filltype=UnFill), ConnectTwo(pA,pO,-1.2dist), hairline+dashed);
draw(Label(scale(0.9)*"$3$", align=Center,filltype=UnFill), ConnectTwo(pO,pB,-1.2dist), hairline+dashed);
draw(Label(scale(0.9)*"$1$", align=Center,filltype=UnFill), ConnectTwo(pD,pP,dist), hairline+dashed);
draw(Label(scale(0.9)*"$1$", align=Center,filltype=UnFill), ConnectTwo(pO,pP,-dist), hairline+dashed);
draw(Label(scale(0.9)*"$r$", align=Center,filltype=UnFill), ConnectTwo(pT1,pQ,dist), hairline+dashed);
draw(Label(scale(0.9)*"$r$", align=Center,filltype=UnFill), ConnectTwo(pT1,pC,dist), hairline+dashed);


draw(cO);
draw(cP);
dot("A",pA, dir(pO--pA));
dot("B",pB,dir(pO--pB));
dot("O",pO,dir(pD--pP));
dot("D",pD,0.7dir(pQ--pD));
dot("C",pC,dir(pO--pC));
dot("P",pP,dir(pO--pQ));
dot("E",pE,dir(pO--pE));
dot("Q",pQ,dir(pP--pO));
dot("R",pR,dir(pP--pO));
dot("N",pT1,dir(pQ--pT1));
dot(pT2);

draw(pP--pO);
draw(pP--pD);
draw(pA--pB);
draw(pA--pC--pB);
draw(pC--pE--pA);
draw(icABC);
draw(icCEA);
draw(pQ--pT1);
draw(pQ--pT2);

draw(pO--pD,dashed);
draw(pA--pQ,dashed);

dot("M",pM,N);

markrightangle(pP,pO,pA,1.5mm);
markrightangle(pA,pD,pP,1.5mm);
markrightangle(pA,pC,pB,1.5mm);
markrightangle(pE,pA,pC,1.5mm);
markrightangle(pA,pM,pO,1.5mm);
markrightangle(pA,pT1,pQ,1.5mm);
markrightangle(pC,pT2,pQ,1.5mm);

markangle(scale(0.9)*Label("$\theta$"),radius=8mm,n=2,space=0.6mm, pO,pA,pP);
markangle(scale(0.9)*Label("$\theta$"),radius=8mm,n=2,space=0.6mm, pP,pA,pC);

addMargins(2mm,2mm);

とある不定積分

2年位前のノートをめくっていて見つけたのでメモ。まあ、偶然の産物だが。

不定積分 $\int \frac{1}{\cos x}\,dx$ の計算が目標。いろいろな方法があるが、たまたま発見した変な方法をご紹介 😉

\[ \frac{1-\sin x}{\cos x} = \frac{\cos^2 x}{(1+\sin x)\cos x} = \frac{\cos x}{1+\sin x} \]
という式変形を利用すると、
\begin{align*}
\int \frac{1}{\cos x}\,dx &= \int \left( \frac{\sin x}{\cos x}+\frac{\cos x}{1+\sin x} \right) \,dx \\
&= -\log\left\vert\cos x\right\vert + \log\left\vert 1+\sin x \right\vert \\
&= \log \left\vert \frac{1+\sin x}{\cos x} \right\vert
\end{align*}

Hardy全集をお出かけ自炊してきた

自転車圏内に裁断機・スキャナ完備のレンタル自炊スペースが開店していることを知ったので、先日試しに行ってみた。開放的でゆったりとしていて、お店の人も親切かつ知識豊富。料金はちょっと高めだが、業務用の高性能スキャナで取り込めることなどを考慮すれば、個人的には許容範囲。書籍以外でも、つまりコピー用紙や資料のシートなどでも取り込んで良いという話だったので、大昔にコピーしておいたハーディー全集(第1巻)を自転車に積んで再訪した。

デフォルトは品質80%のjpegなのだが、自分で設定を変えて良いので、可逆圧縮のPNGで取り込んでみた。解像度は300dpi。さすがに600dpiで取り込む勇気はなかった 😉 もっとも、600dpiでモノクロ2値での取り込みなら、ファイルサイズも大したことはないので、こちらは検討の余地あったかも。

JPEGに比べるとPNGの方がサイズ大きいので、若干スピードが遅くなったが、この程度であれば全然問題ない。取り込んだ画像をPCで確認する。

Hardy全集1のプレビュー中

ものの数分で取り込み作業は終了する。むしろ確認に時間が掛かる。まあ、サムネイルでチェックしても大丈夫そうだが。このあとPDFに変換することも出来るようだが、それは自宅でも出来るから、PNG画像のまま、持参したUSBメモリーにコピーして終了。

最初のページは、こんな感じ。読むだけであれば、このままで十分かな。

ハーディー全集第1巻

電子書籍の自炊関係では、著作権がらみで、もろもろあるようだが、裁断機や業務用スキャナをレンタルで使えるお店は個人的には非常に助かるので、長続きして欲しいなあと思う。

ImageMagickのmogrifyコマンドを使う

[備忘録] 以前 The Internet Archive からダウンロードしておいた E. Cahen の Theorie des nombre, tome 2 (整数論,第2巻)。サイズも小さくで良いのだが,何故かMacのプレビュー.appで見ると,ものすごく動作が遅くてスクロールもままならないという状況だった。それで,放っておいたのだった。そのときは対処法など分からなかったのだが,業者に依頼した自炊(?)PDFが時々同じようにスクロールが重たいという経験を経て,どうすれば良いかが自分なりに少し分かってきたので,それを試してみることにした。

処理対象は,thoriedesnombr02caheuoft_bw.pdf というファイル。サイズは27.2MBほど。このままでも良いが,これを cahen2.pdf として保存。Acrobatで開き,jpegにバラして保存。cahen2_Page_001.jpg から cahen2_Page_762.jpg までの762個のjpegファイルが出来る。これらはモノクロの画像なのだが,サイズは500KBないし900KBもあり,かなり大きい。762個で520MBくらいになっている。グレースケールなのかもだが,拡大した様子では,文字部分は2値のようにも感じる。ともかく,これが27MBに圧縮されていたのだから,すごい圧縮率ではある。

さて,これを ImageMagick で白黒2値のtiffに変換して,CCITT Group4の圧縮をかけることにする。ついでに,広すぎる余白を少し削ってみた。iPhoneで見るときは余白ないほうが見やすいから。

ImageMagickのconvertでは多数のファイルを処理させると,ウソみたいに大量のメモリーを消費してしまうので,今回は mogrify というコマンドを使ってみた。convertとほとんど同じ処理が出来る。

mogrify -shave 100x200 -threshold 80% -compress Group4 -format tiff cahen*.jpg
mogrify -format pdf cahen*.tiff
pdftk cahen*.pdf cat output cahen2mono.pdf

作業内容は次の通り。mogrify コマンドで,まず, -shave 100×200 として,左右100ピクセル,上下200ピクセルずつを削除。次に,-threshold 80% で2値化。さらに, -compress Group4 でFAX G4での圧縮,最後に -format tiff でファイル・フォーマットをTIFFにする。これらを cahen*.jpg すべてに適用する。次に,生成されたtiffファイルをpdfに変換し,pdftkによって,これらのpdfを結合して,cahen2mono.pdf にする。最終的なファイルサイズは,25MBくらいになり,Macのプレビューでも,iPhone4Sの i文庫S でも,スムーズにスクロールして,すこぶる快適になった。

最初のページは次のような感じ。

Cahen "Theorie des Nombres" tome 2

iPhone 4Sでのスクリーンショットは大体こんな感じ。

Cahen "Theorie des nombres" on iPhone4S

iPhoneではさすがに文字が小さく,老眼にはつらいのだが,メガネ外すと,それでも何とか読める。何よりも,750ページもあるのに25MBに収まり,動作も軽くなったので,大満足である。

チェビシェフの多項式のとある問題

もう頭も悪くなって久しいが,腐りかけの脳細胞でも,たまには良いことを思いつくってことでメモ。

チェビシェフの多項式$T_n(x)$について,$x>1$のとき$T_n(x)>1$を示せ,というのが問題。$-1\leqq x\leqq 1$で増減しまくってるんだから,$x>1$ではもう単調増加しかないよなあ・・・と漠然と考えていると,その方向での証明を思いついた。

$T_n(\cos\theta)=\cos n\theta$を$\theta$で微分すると,Chain Ruleによって,
\begin{gather*}
T_n'(\cos\theta) (-\sin\theta) = -n\sin n\theta \\
T_n'(\cos\theta) = \frac{n\sin n\theta}{\sin\theta}
\end{gather*}
よって,$T_n'(x)=0$ は $(n-1)$個の根 $x=\cos\frac{k\pi}{n}$ ($k=1$, $2$, $\cdots$, $n-1$) を持つが,$T_n'(x)$は$(n-1)$次式だから,これが根のすべてである。

従って,
\[ T_n'(x)=n2^{n-1} \prod_{k=1}^{n-1} \left(x-\cos\frac{k\pi}{n}\right) \]
と因数分解される。これから,$x\geqq 1$において $T_n'(x)>0$ となること,すなわち,$T_n(x)$が単調増加になることは明らかである。$T_n(1)=1$であるから,$x>1$のとき,$T_n(x)>T_n(1)=1$ である。QED

とある有名な不等式の証明

今朝,ふと思いついて計算してみたら,あまりにも簡単にできて,驚いた。

$n$を任意の正の整数とするとき,$x>0$において不等式
\[ e^x>1+x+\frac{x^2}{2!}+\frac{x^3}{3!}+\cdots+\frac{x^n}{n!} \]
が成り立つことはよく知られている。$e^x$のテイラー展開から自然に導かれるのであるが,それを使わずに直接に証明しようとすると,微分を何回もすることになり(帰納法との併用),けっこう手間がかかるのである。

ところである。両辺の対数をとった不等式
\[ x>\log\biggl(1+x+\frac{x^2}{2!}+\frac{x^3}{3!}+\cdots+\frac{x^n}{n!}\biggr) \]
を考えると,あら不思議。微分一回だけで簡単に証明できるのである。
\[ f_n(x)=1+x+\frac{x^2}{2!}+\frac{x^3}{3!}+\cdots+\frac{x^n}{n!} \]
とおけば,
\[ f_n'(x)=f_{n-1}(x), \qquad f_{n}(x)=f_{n-1}(x)+\frac{x^n}{n!} \]
が成り立つから,
\[ g(x)=x-\log f_n(x) \]
を微分すると,
\[ g'(x)=1-\frac{f_n'(x)}{f_n(x)}=1-\frac{f_{n-1}(x)}{f_n(x)}=\frac{x^n}{n!\,f_n(x)} \]
となる。これから$g(x)$は$x\geqq 0$において単調増加であることが分かるから,$x>0$において$g(x)>0$であることが言える。

自炊PDFの加工メモ

Hardy-WrightのAn Introduction to The Theory of NumbersのPDF化が完了し,bookscanのサイトからダウンロードした。450ページで150MBほど。これをモノクロ化した。Macで利用できるツール探しから始めたので,けっこう時間かかった。以下,その手順。本のファイル名は hr.pdfとする。

  1. AcrobatでPDFを開き,ページ毎にTIFF形式の画像ファイルにして保存。hr_Page_001.tiffからhr_Page_450.tiffまでの450個のファイルが出来る。
  2. XNViewMP.app, XNConv.app の配布サイトから nconvert というUNIX プログラムをダウンロードしておく。パスの通っている適当な場所(/usr/local/bin など)に移動。
  3. XNViewMP.appで画像を開き,ガンマ補正などのパラメーターを決める。今回は,コントラスト20,ガンマ0.40に決めた。
  4. ターミナルを開き,画像ファイルのある階層に行く。nconvertを使って,すべてのページをモノクロにするのだが,まずは200%に拡大し,それから画像補正(コントラスト,ガンマなど),しかるのちに,階調を64(6 bit)から順に半分ずつにして2bitまで下げ,最後に白黒2値(1bit)に落とす。具体的には,次のようにする。
    nconvert -ratio -rtype lanczos -resize 200% 200% -contrast 20 -gamma 0.4 -dither -grey 64 -dither -grey 32 -dither -grey 16 -dither -grey 8 -dither -grey 4 -binary nodither *.tiff
  5. 変換された画像を結合する。Acrobatを開いて,hr_Page_001.tif からhr_Page_450.tif までを1つのPDFにまとめ,適当なファイル名で保存。ここでは hr_mono.pdf とする。なお,TIFFの読み込みについては,デフォルトではJBIG2のロスレスでの圧縮になっていたが,これだと表示に時間かかるみたいなので,CCITTでの圧縮に変更した。もっとも,あとでPDF/Xにするなら,ここは気にしなくても良いかも。
  6. このままでも良いが,OCR処理する。画像は元のまま(exact)としたが,300dpiでダウンサンプリングしても良いかも。hr_mono_ocr.pdf として保存。
  7. OCRかけると,なぜかMacのPreviewで読むとき,スクロールが非常に重たい。そこで,PDF/Xに変換する。デフォルトのX1aのタイプにしたが,違いはよく分からない。hr_mono_ocr_x1a.pdf として保存。

以上で完了。最後のPDF/X化をすることで,スクロールが非常にスムーズになり,快適。ファイルサイズも30MBくらいだし,文字もくっきりと黒くなって,とても読みやすくなった。

Hardy-Wright Page 238

夢の中で

たまに夢で数学することがあるが,朝起きてみるとたいてい間違っている。というか,そもそも数学になっていなかったりする。しかし,今朝のは違った。簡単な話なんだけど。

$\displaystyle \int \frac{1}{\cos^4 x}\,dx$ を計算するために,
\[ \frac{1}{\cos^2 x}=1+\tan^2 x \]
と変形する。すると,$u=\tan x$ という変数変換で,
\begin{align*}
\int \frac{1}{\cos^4 x}\,dx
&= \int \left(1+\tan^2 x \right) \frac{1}{\cos^2 x}\,dx \\
&= \int (1+u^2)\,du \\
&= u+\frac{1}{3}u^3 \\
&= \tan x+\frac{1}{3} \tan^3 x
\end{align*}
となるという話。まったく同様にして,$u=\cot x=\frac{\cos x}{\sin x}$ とおけば,
\begin{align*}
\int \frac{1}{\sin^4 x}\,dx
&= \int \left(1+\cot^2 x \right) \frac{1}{\sin^2 x}\,dx \\
&= \int (1+u^2)\,(-du) \\
&= -u-\frac{1}{3}u^3 \\
&= -\cot x-\frac{1}{3} \cot^3 x
\end{align*}
となる。

こんな計算,昔やったような気もするが,最近記憶力ないので。

機械に負ける

とある積分計算。$\int \frac{\cos^2 x}{\sin^4 x}\,dx$ を求めることに。分子を$\cos^2 x=1-\sin^2 x$と変形すれば,$I_n=\int \sin^n x\,dx$ に帰着できそうである。

$I_n$が満たす漸化式
\[ nI_n=(n-1)I_{n-2}-\sin^{n-1}x\cos x \]
は$n$が負の整数でも成り立つので,これを使えば,$I_{-4}$は
\[ I_{-2}=\int \frac{1}{\sin^2 x}\,dx=-\frac{\cos x}{\sin x} \]
に帰着されるから,
\begin{align*}
\int \frac{\cos^2 x}{\sin^4 x}\,dx
&= I_{-4}-I_{-2} \\
&= \frac13\left( 2I_{-2}-\frac{\cos x}{\sin^3 x} \right)-I_{-2} \\
&= \frac13\left( -I_{-2}-\frac{\cos x}{\sin^3 x} \right) \\
&= \frac13\left( \frac{\cos x}{\sin x}-\frac{\cos x}{\sin^3 x} \right) \\
&= -\frac13\left( \frac{\cos x}{\sin x} \right)^3
\end{align*}
となる。

念のため,Wolfram Alpha でチェックしてみた。なんと,$u=\cot x=\frac{\cos x}{\sin x}$ と変数変換して,
\begin{align*}
\int \frac{\cos^2 x}{\sin^4 x}\,dx
&= \int \frac{\cos^2 x}{\sin^2 x}\cdot \frac{1}{\sin^2 x}\,dx \\
&= \int u^2 \,(-du) \\
&= -\frac13 u^3 \\
&= -\frac13\left( \frac{\cos x}{\sin x} \right)^3
\end{align*}
と計算していた。ええ,そうです。この方がずっと簡単です。負けました。というか,もうね,積分計算とか機械の仕事だからさ 😉 。あーあ。

シンガー、ソープ「幾何学とトポロジー入門」

なかなか進まないが、ぼちぼち本棚の整理&PDF化を実行中なのである。久しぶりに SingerとThorpe共著の Lecture Notes on Elementary Topology and Geometry に遭遇。

大学3年の輪講で使っていたテキスト。初めて買った洋書の数学の本だったかもしれない。

Singer, Thorpe : Lecture Notes on Elementary Topology and Geometry

予備知識があまりなくても読めるし、よく出来た本だとは思うが、個人的には位相のあたりがまどろっこしかった。もっとも、それは手っ取り早く de Rham の定理に辿り着きたいという気持ちがあったからだったかもしれない。この本の立場は、そうではなくて、無味乾燥になりがちな位相空間入門を具体的目標(de Rhamとかリーマン幾何とか)を掲げて魅力的に展開しよう、ということなのだろう。

日本語訳も出ていて、欲しいなあと思いながら、同じ本が2つあってもなあと、結局買わずじまい。